Beyond The Mountain

登りたいのは山々

プロローグ

僕が大学生の頃に祖父が亡くなるまで、僕は父方の祖父と同居していました。

兄たちに言わせると僕は祖父の血を確実に受け継いでいるらしく、確かに僕がいままでのめり込んで来た「写真」や「カメラ」、「山登り」、それらの趣味はすべて生前の祖父の趣味でした。凝り性なのもそう。
(ちなみに「2輪」が好きなのは父親譲り)

そのうち祖父の晩年の趣味であった俳句を僕が始めるのも時間の問題なんじゃないかと最近言われています。
確かに興味ありますけどね、俳句。

 

冬の散歩でザクッザクッと落ち葉を踏みしめて歩く音が好きな人。

思ったこと、気づいたこと、なんでもすぐメモに取って残す人。

光、炎、星、花、虫、その他、自分が美しいと思うものを信じて疑わない強い感性の持ち主。

明治生まれらの人らしい神仏に対する厚い信仰心の持ち主。

道具に対する愛着。自らの手で操ることが出来る機械式製品へのこだわりを持った人。

思い出と一緒にしまい込んだ自分だけの宝物を生涯捨てられなかった人。

部屋に残されていた主を亡くした本のページを僕がめくると、中からたくさんの押し花があふれてきたこともあったっけ。

僕の祖父は、そんな人でした。

 

六甲山や金剛山
関西人なら小学校の遠足で必ず登るであろう山々も、祖父と登った記憶の方が僕の中には強く残っています。 

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これはそんな祖父と一緒に登った山行の中の1枚。
小学校5年生の冬休み、アイゼンをつけて登った金剛山で祖父にニコンで写してもらった写真。
もちろん祖父が暗室で手焼きしてくれたモノクロ写真です。 

僕の大切な大切な原体験。